褥瘡(じょくそう)をきれいに治すために 多職種連携ケアの取り組み
岡山市の介護老人保健施設はるかです。日頃のご愛顧に感謝申し上げます。
老健はるかでは介護職員のほか、医師・看護の医療チーム、栄養士、リハビリ職などさまざまな職種が常勤しています。
専門職が参集し、入所者の課題解決に向けて連携したケアをおこなう体制をとっているのですが、その最たる例に「褥瘡ケア」があります。
褥瘡ケアの重要性
本日は、老健はるかで取り組んでいる「褥瘡ケア」についてお話ししたいと思います。
褥瘡とは
褥瘡(じょくそう)とは、体の同じ部分に圧力がかかり、皮膚やその下の組織が傷ついてしまう状態のことです。
寝たきりや動けない状態が続くことが主な原因で、一般に「床ずれ」とよばれます。
高齢者介護における褥瘡リスク
高齢者は皮膚が薄く、筋肉・脂肪の減少で少しの圧でも褥瘡につながります。
寝たきりや自力で体勢を変えられない人には特にリスクです。
そして、栄養状態の低下や基礎疾患の有無は治癒のスピードに影響します。
介護施設に求められる役割と責任
「なぜ褥瘡ができたのか」「どうすれば再発が防げるのか」
高齢者介護に従事する者として常にこれを考え、リスクと向き合い、入所者のお体に褥瘡があった場合は多角的・継続的に褥瘡ケアに取り組まなければなりません。
多職種連携によるケアの実際
おかげをもちまして施設内で新たに褥瘡が発生した例はありません。開設以来、発生率ゼロを推移しています。
お体に褥瘡の症状を持って入所される方はいらっしゃるので、老健はるかでは退所されるまでの間に、褥瘡をきれいに治せるようにサポートしています。
リスクアセスメント
褥瘡ケアは予防と早期対応の視点が重要です。
入所時から健康リスクを抱えていないか、評価・予測をおこないます。
- 体の動かしやすさ
- 栄養状態
- 皮膚の保湿
- 寝たきりの状態でないか
評価をもとにリスクの高い方には、マットレスの工夫や体位変換の頻度アップ・栄養強化などを早めに実施して褥瘡の予防を可能にします。

はるかでは、普段からiPadで画像や記録をとり、入所者様の情報共有に活用しています。
多職種での取り組み
入所者に褥瘡の症状が見られたら
- 医師の定期的な診察を受け、看護チームが創部の処置を
- 介護職員が体位変換や清潔の保持を
- 管理栄養士は栄養状態の管理や補助食品の検討を
- リハビリは関節拘縮予防など身体機能の向上を
それぞれの職種が専門性を発揮し、一人ひとり個別ケアで取り組んでいます。
施設では褥瘡ケア用のマットを準備しています。臥床時間が長い方には除圧・体圧分散を適切におこないます。
教育・研修の取り組み
このようにはるかでは職種を越えた連携による褥瘡ケアをおこなっています。
中でも「褥瘡をきれいに治したい」責任感を持って、褥瘡ケアに向き合っているのは同じく多職種で構成される褥瘡予防委員会のメンバーです。
委員長を担う職員が先頭に立ち、「現場で活かせる知識をすぐに届けたい」と日々アップデートされる褥瘡ケアの最新情報をスタッフに共有するため定期的に勉強会を開催しています。
メンバーからは「すごく勉強になった」「この考え方は自分のケアに応用できそう」と前向きな声が上がります。
チーム全体が成長し入所者様の安心につながる、そんな好循環がここにあります。
まとめ:老健はるかの褥瘡ケアについて
はるかが誇れる褥瘡ケアについて、(ちょっと手前みそ気味ですが)お伝えしてまいりました。
老健の特性を生かし、それぞれの職種が自分たちにできることに従事する多職種連携です。
今後も入所者様・利用者様の毎日の小さな変化を見逃さず、体調や皮膚の状態を共有しながら安心のケアを提供していきたいと思います。
ご家族の皆様にはご理解の上、お気づきの点はご教示いただけますと幸いです。