お口から健やかな毎日を 口腔ケアの取り組み
岡山市の介護老人保健施設はるかです。
日頃より当施設運営にご理解をいただき誠にありがとうございます。
「最近、食事の量が減ったように感じる」「むせることが増えた」
ご高齢の方によく見られるこうした変化。実は「お口の健康(口腔ケア)」と深く関係しています。
「高齢者介護において口腔ケアは基本中の基本。全身のあらゆるところに影響する最重要ケアだと私たちの時代は教わった。」
そのように語る当施設のケアマネジャー福池に、高齢者ケアにおけるお口の健康の重要性について聞きました。
本日は、施設内での口腔ケアについてお伝えしたいと思います。
なぜ、口腔ケアが大切なの?
誤嚥性肺炎の予防に
高齢になると、食べ物や唾液が誤って肺に入りやすくなります。口の中に細菌が多いと、それが肺に入って誤嚥性肺炎の原因になることも。
日々の口腔ケアは、そのリスクを減らすための重要なケアのひとつです。
食事を楽しみ、栄養を摂るために
「噛む」「飲み込む」「味わう」これらがスムーズにできることは、食事の楽しみや栄養の確保につながります。
お口の中を清潔に保つことで、食欲の低下や食べる意欲の減退も防ぎます。
認知症や全身の健康に影響することも
口腔機能の低下や入れ歯が正しく入っていないことが、体のバランスや情緒に影響します。
落ち着きのなさや不安、転倒リスクにもつながることがあるのです。「眠っているときは入れ歯を外している、急に起き上がるとバランスが取れなくて転ぶことがある」・・・確かにそうです。
お口の健康を保つことは、全身の健康にも良い影響をもたらすと言えます。
老健はるかでの、口腔ケアの取り組み
当施設では入所者さま一人ひとりの状態に合わせた口腔ケアをおこなっています。
- 介護スタッフは歯磨きがご自分でできる方に対して食後に声掛けをし、お口の清潔を促します。
- 歯磨きや入れ歯の洗浄をお手伝いしたり、ぐらつきや痛みなどがないかお聞きしています。
- うがいができない方の対応を、看護師や言語聴覚士が検討します。
- 経口摂取でない胃ろうの方も、毎日看護師がお口のケアをしています。
- 歯や歯茎に痛みや腫れなどがあれば、いつも来てくださっている歯科に連絡し、訪問診療をお願いするようにしています。
お口の健康は、いきいきとした毎日を支える第一歩です。
人によっては、拒否や抵抗が見られることもあり思案・工夫が必要である場合も少なくありません。
ご本人の「その人らしい暮らし」を守るために、はるかでは口腔ケアの重要性についてもう一度理解を深め、これからも丁寧に入所者さまのお口の健康に力を注いでまいります。
ご家族の皆さまにケア用品の補充をたびたびお願いし、ご協力を仰ぐこともありますがご理解を賜りたいと存じます。